プロジェクトC:倫理的看護実践のためのシステム構築

概要

熟慮・納得のもとに、自身にとって最善の診療・ケアを選択する意思決定支援プログラムの開発と検証、および複雑な病態・治療過程、脆弱な療養環境で生じ得る倫理的課題に対応する臨床倫理コンサルテーションシステム構築と実証をすすめます。併せて、組織的に倫理的看護実践が行えるケアリング風土の醸成を探求します。

リーダー挨拶

新しい患者と医療者の関係づくり

人々は、日々の生活に支障をきたし、自身の身体や心をセルフケアすることが難しくなると医療専門家によるサービスを求めるようになります。しかし、決して自分の人生を医療者に委ねている訳ではありません。医療におけるさまざまな意思決定の主人公は生活者である患者自身です。我が国では、1980年代後半にインフォームドコンセントの概念が輸入され、医療現場にも新しい患者と医療者の関係づくりが求められるようになりました。しかし、未だ理念のみが先行し、患者と医療者の関係性はそれほど変化しているとは言い難い現状があります。

対話力とケアリング

本プロジェクトでは、高度化、複雑化が進む医療現場において、最善の医療・看護サービスを提供するためのシステムを構築することを目指しています。倫理は実践に内在しており、良い医療や良い看護とは何かという問いと密接と関連しています。すなわち、医療者には、何が倫理的に正しいかを熟慮した上で、より良い選択をすることが求められているのです。問題状況によっては、倫理の専門家が助言を行う倫理コンサルテーションが必要ですが、その前に看護師が身に着けておくべきこと、それが倫理的問題について言語化する力であり、そのことについて関係者と対話する力です。自分の考えを言語化し、異なる価値観をもつ人々との対話を重ねることで、互いに理解を深めることができます。医療者が患者の「ために」ではなく、患者の「立場から」考えられるようになることで、価値観の調整も可能となるでしょう。そうした対話ができる職場風土に求められるもの、それがケアリングです。

本プロジェクトにおける具体的な課題には、医療現場における倫理的問題の事例検討、複雑な問題に対応するための倫理コンサルテーションシステムの構築、看護師のユーモア、ユマニチュードを踏まえたケアリング風土の醸成等があります。

リーダー 宮脇美保子

活動内容

2019年度 

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2018年度 

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2017年度 

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2016年度 

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2015年度

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2014年度

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2013年度

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2012年度

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