プロジェクトB:ベストプラクティス先導ナースのキャリア開発

概要

臨床現場でベストプラクティスを浸透・波及できるかは、<医療イノベータ>の役割を担う看護リーダーの活躍にかかっています。このプロジェクトでは、最適なケアと患者のアウトカムを促進するために、患者(個人、家族、またはグループ)や他の専門職との治療的関係と協働関係を結び、各チームやユニットにおいてケアの質保証システムを稼働し、ケアの改善を先導する看護リーダーの育成プログラムの開発、検証を行います。

目的

時代の要請に即した看護サービスの開発・質改善を担う「ベストプラクティス先導ナース」に必要な力を高めるため、3つのプログラム-「ベストプラクティス導入・活用プログラム」、「ケース・メソッド教育を用いたマネジメント能力育成プログラム」、「レジリエンスの高い看護職養成プログラム」について、①プログラム、教材の開発、②プログラムによる教育・提供を研修の提供、③効果の検証、④成果の発信を行います。

リーダー挨拶

社会経済の変化を背景に、「持続可能かつ高品質な医療」を目指して、地域を基盤とした医療から介護・生活支援までの統合ケアを、患者・療養者の価値を中心に提供するシステムへと転換しようとしています。このような変革期において直面する課題を解決するためには、時代のニーズに即したベストプラクティスを生み出し、これを浸透・普及させる看護リーダーの活躍が不可欠です。

ベストプラクティスを先導する看護職を、本プロジェクトでは「ベストプラクティス先導ナース」と位置づけ、先導的に活動するために必要な「力」-問題解決力、意思決定力、レジリエンス力-を高めるためのプログラムに取り組んでいます。

リーダー 小池智子

 

問題解決力

課題解決を図るために最善の方法(ベストプラクティス)を開発あるいは探索し、現場に合った方法で導入していく力

意思決定力

大局に立って現場を分析し、情報を統合して、複数の選択肢から適切な方法を意思決定する力

レジリエンス力

困難から学んでしなやかに回復していく力、患者/療養者やチームの人々をエンカレッジするする力、諸活動をとおして人々のレジリエンス力を育てるリーダーシップ

本プロジェクトは、慶應義塾大学SFC研究所ケースメソッド・ラボ、慶應義塾大学大学院経営管理研究科、慶應義塾大学病院をはじめ、他の大学、医療機関、訪問看護事業所、医療関連団体などと連携し、教育研究活動をすすめていきます。

活動内容

  1. 「ベストプラクティス導入・活用プログラム」
    Quality Improvementを効果的にすすめるマネジメント・サイクル実践プログラムです。臨床や地域の現場のケアや提供方法の改善をはかるため、問題解決の理論と技法を基盤に、組織内外の最高の成果を出している実践例(ベストプラクティス)を見つけ出し、自らの組織との差異を分析し、改善案を考案・計画し、それを実行します。この活動を繰り返し行うことによって、改善の質を高め、継続的に組織を発展させることを目指します。
  2. 「ケースメソッド教育によるマネジメント力育成プログラム」
    ケースメソッドとはケース(事例)を討議する形式で進める教育方法で、特に、実践力(統合力・洞察力・意思決定力、問題発見・解決能力など)の向上に有効とされています。
    本プログラムでは、医療機関、在宅看護、地域包括ケアなどのケース教材を開発し、これを用いてケースメソッド教育による研修を提供しています。大学・大学院の授業にとどまらず、認定看護管理者教育課程(ファースト・セカンド・サード)などにおいて管理者や実践者を対象に実施し、主体的に学ぶこと、徹底的に考え抜くこと、組織やコミュニティで活動する際に欠かせない諸能力を身につけることを目指しています。
  3. 「レジリエンスの高い看護職者養成プログラム」の開発
    困難に直面してへこたれても、その体験を通して成長するしなやかさをもつ「レジリエンス」の高い看護職者を養成するためのレジリエンス・ビルディング・プログラムです。
    自分自身のレジリエンスだけでなく、患者・療養者をエンカレッジし、チームメンバーのレジリエンスを高めるリーダーシップを養成します。

活動報告

2019年度 

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2018年度 

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2017年度 

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2016年度 

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2015年度

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2014年度

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2013年度

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2012年度

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