「女性の「選択」に寄り添える助産師になりたい」宮嶋かおりさん





女性の「選択」に寄り添える助産師になりたい
宮嶋かおりさん

Profile
宮嶋 かおり

看護医療学部4年生
2017年入学

(2019年インタビュー)

--看護医療の道に進もうと決めたきっかけは?

私は、第二学年学士編入をして現在に至ります。以前の大学では社会医学研究室に所属し、統計的な視点で医療や福祉について考察していました。その中で、研究だけではなく臨床の視点も身に付けたい、研究で得た気づきを実際に自分が行動を起こして社会に還元できる力を身に付けたいと思うようになり、看護の道を志しました。

慶應の看護を選んだ理由は、看護職の国家資格取得だけにとらわれず、看護医療学部での学びを統合させ、その先にある変動する未来社会に生かし貢献できる人材育成に力を入れている姿勢に魅力を感じたためです。

--力を入れて取り組んでいる学びや慶應らしさを感じることについて教えてください

私は以前の大学では、応援部という体育会の部活動に所属しておりました。応援部は、体育各部の選手たちを応援し大学を盛り上げます。応援部での活動の中で沢山の学びがありましたが特に印象に残っているのは、「頑張っている相手を応援する時、自分はその人以上に向き合い努力しなければならない」という考え方です。

これは、試合1つ1つにも当てはまりますし、活動そのものにも当てはめて考えることが出来ます。この考え方があったからこそ、部活と勉強の両立に向き合うことが出来たと思います。また、この考え方は今にも生きており、実習で患者さんと出会う時は必ず誠実に向き合うことを意識して実践出来ておりました。

現在は、助産師選択コースを履修させていただいており、日々助産師の夢に向かって沢山の学びを得ています。助産師を目指すことを強く決意したきっかけでもある、「性と生殖における健康と権利」という講義は大変有意義な時間でした。この講義では、世界全体や日本が抱えるリプロダクティブヘルスライツに関する課題について、専門とする先生方からご講義いただき、更には少人数のグループで学生たちが関心のあるテーマについて沢山の討議を重ねて考えを深め、最終的にプレゼンテーションとして成果物を作りました。

私は入学当時から国際保健の特に母子保健やリプロダクティブヘルスライツに関心がありましたが、この講義で学べば学ぶほど途上国だけではなく日本が抱える課題も多くあることを知りました。 この講義をきっかけに、国内外問わず全ての女性がこの権利を享受できる社会作りに貢献できる助産師になりたいと思いました。

慶應の強みは、国際的な感覚を養うことができる科目の多さであると思います。慶應では、世界の情勢を知るだけでなく、国際的な視点から日本を俯瞰する力も身につけることができます。

--どのような講義で充実感を得ることができましたか

私は、日々の講義で湧き出た感想や考え、実習での経験などについて、お互い気が済むまでとことん話し合える友人に出会えたことが大きな財産です。友人とディスカッションすることにより、自分自身を見つめ、今まで自分でも気がついてなかった看護観や価値観に気がつくことができ、視野が広がったと思います。  

現役生と学士編入生に垣根はありません。各々関心領域に違いはあれど看護の学びを社会に貢献しようと目指す者として対等に将来を語り合える友人はお互いに高め合うことができ、貴重な存在です。

--どのような課外活動に取り組んでいますか

私は特定のサークル団体には所属しておりません。 しかしながら、2年次には、私の関心が強い国際保健分野の先生のご厚意で4年次に科目配当されているプロジェクトに参加し、熱心なご指導をいただいておりました。先生のご紹介で、外国人診療のお手伝いをさせていただいたこともあります。

夏季休暇には、青田奨学金をいただいてタンザニアに渡航し、タンザニアのタボラ州における保健医療サービスへのアクセスの現状と課題についてフィールドワークをしました。 そして、この渡航での学びをORF(Open Research Forum SFC)でポスター発表をする機会もいただき、自分の研究テーマについて看護医療学部以外の方とディスカッションをする楽しさを味わうことができました。
このように、学生一人ひとりの学びたいと思う気持ちに応えてくださる熱心な先生方がいらっしゃり、そして奨学金やORFなどの学ぶ環境が整っていることは大変魅力的だと思います。

--看護医療学部の魅力、強みはどのようなところにあると思いますか

先にも述べましたが、看護師国家資格の取得が最終的なゴールではなく、人間力を基盤に、看護の知識を様々な領域に生かす力を養うことができることが大きな魅力だと思います。さまざまな領域で活躍される諸先輩方のお話を聞く機会が講義をはじめ多くあり、私は看護の可能性は自分が思っていたよりも大きいことに気がつき、夢が広がりました。

また、附属病院があり、学校の先生だけでなく、臨床指導ナースや医師も私たち学生の学習を支えてくださることも魅力の1つだと思います。 学内の演習時から、臨床指導ナースがご指導くださる機会がありました。その為、実習が始まる前から関係性を構築することができ、実際に実習が始まってから質問がしやすく活発になり学びを深めることができました。

--将来はどうなっていたいですか?

先述した通り、私は国内外問わず全ての女性がリプロダクティブヘルスライツを享受できる社会作りに貢献できる助産師になりたいと思っています。また、最終的には、以前の大学で得た研究的な視点も生かし、臨床的にも研究的にもアプローチできる助産師になりたいと思っています。 ちょうどこの考えを持つようになった頃から、周囲の子育てをしている友人が生き生きとしていて逞しく見え、応援したいと思いました。自分の選択に自信を持っている人たちはなんて輝いているのだろう、一人一人の選択には誰かが決めた正解はなく自分で選択することが大事であると思ったのです。  

現在の日本では、より一層女性の社会進出が進み、ライフスタイルや価値観も多種多様になっています。それに伴い、性・生殖に関わる悩みや葛藤も複雑なものとなると考えています。私は、これらの悩みを抱える女性が自信を持って自分らしい選択をできるような手助けをしたいと思っています。

--看護医療学部を目指す学生へメッセージをお願いします

慶應の看護には、学士編入をはじめ現役生にも様々なバックグラウンドを持った学生が多くいます。そして、バックグラウンドが違くとも看護の道に高い志を持っている共通点があり、互いに刺激し合いモチベーションを高く学生生活を送ることができます。そして、このモチベーションに応えてくださる先生方がいらっしゃり、そして実際にモチベーションを行動に移せる環境があります。  

私は、この恵まれた環境で学習できている有難さを入学して学べば学ぶほど痛感し、そしてここでの学びや経験が誇りとなっています。慌ただしくも友人と助け合いながら過ごす日々は大変有意義で、毎日が幸せです。このような環境で一緒に看護の道を目指せたら嬉しく思います。