「多角的な視点を育み、看護の先導者へ」渡辺翠さん


多角的な視点を育み、
看護の先導者に
渡辺翠さん

Profile
渡辺 翠

看護医療学部3年生
2017年入学

                                                        (2019年インタビュー)

--看護医療の道に進もうと決めたきっかけは?

私は幼稚園の頃から祖母と人体展を見に行ったり、人の身体について興味を持っていました。 看護医療学部への進学を決めたのは高校1年生の時です。塾内高校出身のため、毎年学部説明会があり、そこでは各学部の教授がそれぞれの学部について説明をして下さいます。 

選んだ学部によってその後の人生が大きく左右されるので、私は何を選ぶべきか分からず、自分の進路にとても迷っていました。しかし看護医療学部の説明を聞きに行ったとき、もともと人体に興味があったこともあり、授業がとても面白そうで興味深く、一気に看護医療学部に気持ちが傾き始めました。

正直、看護師は夜勤があったり心身共にとても過酷で大変な仕事なので、自分はやっていけるのかという不安もあり悩みました。でもなんとなく選んだ学部に進み、なんとなくみんなと同じ流れに乗って就職しても面白くないだろうなと思い、自分の興味のある分野についてとことん勉強しようと看護医療学部への進学を決めました。

--力を入れて取り組んでいる学びや慶應らしさを感じることについて教えてください

看護医療学部の授業は他学部とは違い、すべての授業が直接的に将来看護師として働いたときに繋がることが大きな特徴だと思うので、満遍なく全ての授業に力を入れるようにしています。

しかしその中でも、技術演習には特に力を入れています。この授業は実際にベッドがずらっと並んだ演習室で人形や同級生を相手に看護で実際に行うケアの演習を行います。座学に比べ圧倒的に実践的で、これを怠けると実習に行ったときや実際に臨床に出たときに何も技術を持っていない看護師になってしまうので、しっかりとした技術を身に着けるよう取り組んでいます。

慶應らしいと感じるのは、三学部合同授業です。これは、医学部、薬学部、看護医療学部の3学部が集まって共通のテーマのもと一緒にグループディスカッションを行い、それぞれの立場から意見交換をし、医療連携を実践的に学びます。これは総合大学の慶應義塾だからこそできる授業だと思います。

--どのような講義で充実感を得ることができましたか

看護医学部の大きな特徴は実習があることだと思います。学生が病院で実際に入院していらっしゃる患者さんを受け持ち、看護を提供することは看護医療学部ならではで、とても貴重な機会だと思います。

百聞は一見に如かずという言葉があるように、いくら学校で勉強や実技の練習をしても実際に臨床に出ないと分からないことも多く、生の患者さんに対して自分で看護プランを考え実践することは看護学生としても人間としてもとても成長できる機会です。毎回実習が終わった後に患者さんのために頑張ってよかったなと思うことができます。  

--どのような課外活動に取り組んでいますか

私は現在、體育會弓術部に所属しています。月曜日以外は毎日練習か試合があり、忙しい毎日を送っていますが慶早戦やインカレ、そしてリーグ戦でⅡ部優勝しⅠ部に復帰できるよう日々頑張っています。看護医療学部は授業が多く立地も湘南台と、日吉や三田から遠いこともあり、體育會に所属している学生はとても少数派です。

しかしなぜ私はあえてその少数派になろうとしたのか。実際、大学入学当時は自分は勉強と部活の両立ができるのかとても不安になりました。しかし中学生から弓道を続けていて弓道が大好きだということ、最後の学生生活を自分の好きなことに思いっきり挑戦できる最後のチャンスだと思ったので両立することに決めました。

勉強と體育會の両立はやはり大変なことが多いですが、勉強は学部の友達が、そして部活では同期が支えて応援してくれているので、両立することができています。また、写真は先日あった慶早戦のときのものですが、部の代表として試合に出れた時はとても嬉しく、頑張ってきて良かったなと思える瞬間です。

大学は人生の夏休みとも言われるように、時間がたくさんあり使い方は自分次第です。そこで體育會やサークル、バイト、習い事など何でもいいですが、自分が何かに熱中して努力するということはとても大事だと思います。苦労することも多いと思いますが、その苦労に立ち向かうことで自分が人間として大きく成長できると思います。私も體育會に入り看護医療学部以外の友達を多く持つことができたのは一生の宝だと思っています。

--看護医療学部の魅力、強みはどのようなところにあると思いますか

ただ看護師として勉強し技術を身に着けるだけではなく、多くのグループディスカッションや他学部との交流を通じ、多角的な視点で物事を観察し判断、行動できる医療者を目指し看護の先導者となれるような教育がされていることが慶應の看護医療学部の魅力そして強みだと思います。

--将来はどうなっていたいですか?

来年は部活で主将を務めるため、勉強と部活どちらも中途半端にならないよう最大限の努力を重ねたいと思います。そして看護師になりたいということは決まっていますが、まだどの分野に携わりたいか決断していないので、まずは実習などで様々な科を自分の目で見て自分の興味のある分野を見つけたいと思います。

--看護医療学部を目指す学生へメッセージをお願いします

慶應義塾大学は、自分の工夫次第で様々なチャレンジができる環境だと思います。授業は他学部に比べ忙しいですが、サークルや課外活動、體育會など自分のやりたいことにも挑戦している人が多いです。そしてその活動を通して他学部の人など看護医療学部以外の人との交流を通し、学部以外の友人を作れるのは総合大学である慶應義塾の最大の強みなのではないかと思います。

進学する大学、そして学部を決めるということはその後の自分の人生を大きく左右するので迷うことも多いと思いますが、慶應義塾の看護医療学部は時代の先駆者となれるような看護師を育成しており、また将来看護師にならないとしても様々な学問分野を学ぶことができるので自分の将来の可能性を無限に広げられる環境だと思います。 皆さんの挑戦を応援しています。