「医師の役割も担う、ナースプラクティショナーを目指して」髙村 映吏香さん(2021年卒)

e-t_nmcHP.jpg髙村 映吏香さん

Univeristy of Hawai'I at Hilo 在籍

2021年 看護医療学部卒業

 

 

 

  

--2023年現在、ハワイ大学の大学院で学ばれている高村さん。
具体的にどのような環境で勉強されているか教えてください。

私は現在、ナースプラクティショナーという資格の取得を目指して勉強しています。ナースプラクティショナーとは、簡単に言い換えると、正看護師と医師の中間の資格です。処方箋を出したり、自分自身のクリニックを開いたりすることもできます。
12人という小さな規模の学年の中で私が唯一の国際留学生です。自分の英語力のレベルを痛感する環境でもありますが、一方で「自分だけが留学生」という環境では、自分が新たに後に続く人々の道を切り拓いている、より一層頑張らねばとやる気が出ますので、そこに面白さを感じながら学んでいます。
アメリカの医療制度を学んできている同輩と学ぶことには壁を感じることもあります。今まで身近に感じることのなかった保険制度や医療システム...。学ぶことは数えきれないほどあり、厳しいなと感じることもありますが、一方で、日本のことを学んできた自分にとって、日本についてシェアすることのできる環境であるとも考えています。より良い医療を目指すことは、どの国でも共通のゴールであると思います。私は、ここアメリカで、日本人として日本らしさを広める役割も担っていることに責任・やりがいを感じるほか、両国の架け橋となれるよう試行錯誤しながら日々過ごしています。

--慶應義塾大学看護医療学部に入学しようと思った理由やきっかけは?

入学当時から、卒業後の留学を視野に入れていた私にとって、看護分野だけでなく医療英語のクラスがあること、SFCキャンパスでは環境情報学部・総合政策学部と隣接しているため、サークルや看護分野以外の授業の履修を通じて英語を使う機会が、他校の看護学部と比較して多いと感じたことが、入学を志した主な理由です。

--学生時代に力を入れて取り組んだ学び、現在活かされていることは?

卒業後の留学を見据えていたため、英語力の向上は四年間欠かさずに取り組んでいました。
4年次にはプロジェクトに所属し、病院内で活動するために専門的に育成された犬「ファシリティードッグ」についての研究をしていましたが、授業の最終課題は英語での論文執筆でした。研究のアプローチ方法、アメリカの論文のルールや形式、ボキャブラリーなど、授業で学んだことはもちろん、実際にアメリカのファシリティードッグのハンドラーの方に英語でインタビューをしたり、アメリカの医療制度を学んだりした経験は、今現在のハワイ大学での学びに本当に役に立っていると感じます。
また、3年次に履修した「ラオス・プライマリヘルスケア保険医療チーム活動プロジェクト」という授業では、看護医療学部だけでなく医学部・薬学部が一つのチームとなり、チームとしてヘルスケアにアプローチするというチーム医療の大切さを学んだほか、日本以外の国の政策や生活環境を学ぶことで、日本でしか生活したことのなかった自分の'あたりまえ'を良い意味で覆し、より柔軟に物事を捉え、考えるスキルを身につけたと強く感じています。

--サークル活動など授業以外に力を入れて取り組んだ活動は?

サークルとして、アカペラシンガーズ・KOEに所属していました。SFCキャンパス合同のサークルだったため、看護医療学部以外の学生たちとの関わりも多くありました。またサークル内の看護医療学部生同士でバンドを組み、クリスマスには慶應病院の病棟を周り、パフォーマンスをしたりもしました。私の趣味である「歌うこと」を看護と繋げて活動できたことは、とても素敵な経験となりました。

--看護医療学部を目指す受験生にメッセージをお願いします。

何よりも学びをサポートしてくださる先生方がとても魅力であることに加え、看護医療学部に集まる仲間たちは、本当に一生ものの宝物になると思います。看護医療学部は、人の命に関わる仕事に携わる人を育てる場所。厳しい学生生活になることは皆様もご存知であるとは思いますが、一人ではありません。この学校では、素敵な仲間たちと先生方と、大きな一つのチームとして乗り越えることができます。そして、ユニークな授業・教育環境が整っているのも大きな魅力の一つです。この学校で素敵な仲間と先生方と素敵な学生生活が送れるよう、頑張ってください。遠く離れた海の向こうから、皆様の合格を心よりお祈りしています。

(インタビュー 2023年1月)