「児童・生徒とともに成長し続ける養護教諭でありたい」湯川裕子さん

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湯川裕子さん
2005年 看護医療学部卒業

 

 

 

 

--現在、どんな活動をされているのですか?

大学卒業後、慶應義塾大学病院の小児病棟で3年間、看護師として勤務した後、東京都内で養護教諭をしています。

初めの5年間は、都内の肢体不自由特別支援学校で養護教諭として勤務しました。
特別支援学校では、定期健康診断や学校医と連携しての健康相談、保健指導などに加え、学校看護師と連携して医療的ケア(口鼻腔吸引、気管内吸引、経鼻チューブ、胃ろうなどからの栄養注入、導尿)実施のための教員への支援、連絡、調整などを行ってきました。

特別支援学校在籍の平成23年3月11日に東日本大震災があり、平成24年度は、東京都から養護教諭として1年間、宮城県気仙沼市の中学校に派遣されました。
震災後、継続してボランティア活動を行ってきたこともあり、「被災地の方々のために何かできることをしたい」という気持ちで過ごしていましたが、毎日生徒たちの笑顔に元気をもらい、現地の先生方に助けていただいてばかりの1年間でした。大規模災害への備えや災害後の心のケアについてたくさん学ばせていただいたので、それを今後に活かしていきたいです。

現在は都内の中学校に勤務していますが、心身の健康問題も多様化しており、救急処置や保健指導、保健管理などに加え、不登校生徒、学校に来ることはできても教室に行けない別室登校の生徒、発達障害のある生徒などの対応も担任やスクールカウンセラーと連携して行っています。

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--看護医療学部を選ばれたきっかけは?

中学生の頃から養護教諭になりたいと思っていたので、看護師と保健師(申請すると養護教諭2種の資格を取ることができる)の資格を取ることができる大学に進学したいと思っていました。

看護医療学部は、病院だけでなく様々なフィールドで活躍する人材を育成するという理念に魅力を感じ、看護医療学部に進学したいと思うようになりました。

--どのような学生生活を送っていましたか?

勉強熱心とは言えなかったと思います。養護教諭になりたいという思いはずっと持っていましたが、興味があること、やりたいと思ったことは何でもやっていました。特に印象に残っていることは、2年生のときにイギリスの海外研修に参加したこと、3年生の時に終末期の実習でホスピスに行ったことです。

イギリスの海外研修では、イギリスの医療制度について学んだり、病院の見学をしたり、日本の医療との違いを感じることができ、とても勉強になりました。同行してくださった先生や、学年の違う友人たちと語り合ったのもとてもよい思い出です。

終末期の実習では、患者さんの希望に寄り添う看護を知ることができました。私の看護職としての原点だと思っています。

学校以外では、いろいろなアルバイトを経験しました。
日本料理店やコーヒーチェーン店でのアルバイトでは、サービス精神を学びました。よりよいサービスを提供するためには、ともに働く仲間と良い関係を築き、協力し合うこと、お客様のご希望にできる限り対応する努力をすることなどを学びました。学んだことは、社会に出た今でも活かされていると思います。

--看護医療学部に入って良かったことは?

すてきな先生方や仲間に出会えたことだと思います。 

先生方はとても熱心で、学生のことを大切に思ってくれました。卒業後も仕事で辛いことがあったときや悩んだときには先生に相談にいくこともありました。

講義や実習でもグループで活動することが多いので、グループの仲間たちにはいつも助けられました。実習でうまくいかないことや悩むことがあったときも、自分のことのように一緒に考えてくれる仲間がいたことは大きな支えでした。

実習やゼミでお世話になった先生方や、ともに学んだ仲間とは今でもときどき会って、お互いの近況報告をしています。

--看護医療学部を志す後輩たちへメッセージをお願いします。

看護医療学部での4年間で、看護学生として、人が生まれて成長し、人生の終わりを迎えるまでさまざまな発達段階の方々と出会い、人生の大切な時間をよりよく過ごすために支援することを学ぶことができます。学んだことは、看護職として働く上ではもちろんですが、一人の人間として生きていく上でもきっと役に立つと思います。いろいろなことにチャレンジできる環境が整っているので、たくさんのことを学んでください。