「心の問題に悩む人が多い社会だから、メンタルケアに携われる仕事がしたい」看護医療学部2年 尾崎彩佳さん
医療の分野を広く学びたくて、慶應を選んだ
昔から、将来は人を助ける分野の仕事がしたいと思っていて、養護教諭に興味を持っていました。進学する時期になって、養護教諭養成課程のある看護系の学校に進むか迷いましたが、最終的には、勉強をする過程でいろいろな刺激を受けてほかの道を見つける時が来るかもしれないと思うようになりました。そんな時、この大学のパンフレットに、看護=看護師ではなくて医療における全般を見て進めていく、だから「看護医療学部」なんだと書いているのを見つけました。私みたいに将来進む道をはっきり決めていなくても、医療に関わりたいという思いがあれば学べる場を設けてくれるんだ、と知ってこの大学を選びました。
授業では、国連で働いている方やネパールなど外国での公衆衛生の面において活動されている方の講演が盛り込まれています。現実の厳しさや大変さを体験した本人から聞く話には説得力があります。今、私たちは日本にいて、ともすると外の世界のことのように受け止めてしまう話を身近で聞けることはすごく貴重な機会だと日々感じています。
すぐ隣に総合政策学部や環境情報学部のキャンパスがあるので、そちらの授業も受けています。今のままだと看護の面では詳しくなるかもしれないけど、1歩外へ出たら知らない世界になってしまうから、いろいろな視野から社会を見られるように、社会勉強のつもりで直接は医療に関係しない授業も受けています。他の学部の授業を受けられるのはこの大学のいいところですよね。私は心理学とパーソナリティ発達論を学びました。子ども時代に経験したことが大人になってどのように影響していくか、などおもしろい授業でした。大学時代に勉強するのはこれ、と固定する時期ではないと思うし、いろいろなことに視野を向けていきたいと思っているんです。
演習科目で学んだのは、周囲の理解の大切さ
演習科目の一環で、夏休みの2日間障害者施設に行って来ました。その施設ができたばかりの頃は、周囲から苦情が来ることもあったそうですが、時が経つにつれ、地域の人が理解してくれるようになり、今は無事に運営しているという話を聞きました。周りの反応が、入所している方の生活に大きく影響するというか、家族や地域の理解がなければ、同じ障害を持った人でも生活は変わってしまうな、という事を感じました。そういうことって、普通に暮らしていると、自分に直接関係しない限り関心を持たないけれど、一番大切なことですよね。現実として今後高齢化社会になると、私たちは理解しなければいけない場がたくさん出てくると思う。これから医療の世界でがんばっていく上でも、上辺の理想を話すだけではなく、自分たちが施設に行って初めて分かったように、みんながもっと現実を知る場も必要だなと思いました。
自分なりに楽しめるサークルがたくさんある
医学部との合同サークル医事振興会に入っています。これは伝統あるサークルでOB、OG会もあるんです。毎年担当する学年がテーマを決めてそれぞれがプレゼンテーションをします。夏は過疎地へ行って合宿しながら、高齢者や障害者の施設などでボランティアをします。私は夏に精神障害者施設に行きました。こちらがいろいろと盛り上げてコミュニケーションを取らなくてはいけないのに、うまく会話ができなくて、先輩がうまく取りなしてくれたりしてまだまだ私は経験不足だと感じました。施設の職員の方は入所者の方をひと目見ただけで様子の違いが分かるんです。これはすごいと思いました。その活動でやはり感じたのは、周りで手をさしのべる人、相談相手になってくれる人が必要だということ。医療に関わっていない人でも、そういう施設で協力できるような環境作りをしたいと思いました。
もう一つのサークルはチアです。もともとスポーツ試合を観るのが好きで、高校時代も校庭で試合をしている時などよく観戦していました。チアって見ていて楽しいし、自分もやれたらいいなって興味があって、堂々と応援するならチアだ!と思ったんです。これまでアイスホッケーなどの応援にも行きました。また、今は大会に向けて日々練習に励んでいます。この大学は間口が沢山あるんです。大学に入ったらいろいろな事に挑戦したいと思っていたから、今はこの環境を思いきり楽しんでいます。
大学時代に経験と知識をたくさん吸収して、社会に出たい
今は、心の病気に関心があります。今の社会はみんな慌ただしくてストレスを抱えています。産業医としてある会社に行った先生の話を伺う機会があって「相談が後を絶たない」と言われていました。その話を聞いて、本当に今は心の問題に悩んでいる人が多いことを知りました。私は将来、看護の分野で働くとしても、どこかの会社の相談役というか、心のケア、カウンセリングなどに携われたらいいなと思います。心の病気は経験した人でなければわからないことってありますよね。そういう治療に当たるなら治療する側もいろいろな経験が必要だと思うので、大学時代はボランティアの経験や施設の職員の人と話して現場の大変さをたくさん理解していきたいです。それが将来うまく活用できたらいいな、というのが私の理想です。
(1学年在籍時)