学部長あいさつ

「独立自尊の精神で看護の未来を拓く先導者に」

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慶應義塾大学看護医療学部長
野末 聖香

    慶應義塾の看護学教育には100年を超える歴史があります。初代医学部長であった北里柴三郎博士が医療における看護の役割の重要性を説き、医学科創設の翌年1918年、看護婦養成所が設置されました。その後厚生女子学院、看護短期大学へと継承され、2001年慶應義塾大学9番目の学部として看護医療学部が開設されました。看護医療学部が教育の柱とする看護学は、人々が人生をその人らしく生き抜くことができるよう命と健康を護り、その人の持つ力を高め、生活の質を支援する実践の科学です。学生の皆さんには、命を尊び、多様な価値観を大切にする豊かな感性と人間性、確かな看護の専門力を涵養してほしいと願っています。

    近年少子高齢化が加速し、健康課題はますます複雑化しています。医療技術が飛躍的に発展し、AI、IoTが活用され遠隔医療が進んできました。医療は人々の生活の身近なところに浸透するようになり、今後看護の役割やシステムは多様化していくでしょう。さらにグローバル化が進み、国を越えた保健医療の課題解決が求められています。学生の皆さんには、柔軟な発想力と変革力をもち、国際的視野で看護の未来を切り拓く先導者になっていかれることを期待します。

    看護医療学部生は、湘南藤沢キャンパスと信濃町キャンパスで学びます。2キャンパスで学ぶことのメリットは大きく、学部が設置する科目だけでなく他学部設置科目が履修できます。医療系3学部合同教育など総合大学の強みを活かしたプログラムが各学年で開講され、学部独自の海外研修科目や、海外から看護学生を招いて行う短期留学受入れプログラムなどもあります。国内外の学生間交流の機会が多く、奨学金制度も充実しています。必修科目が多い学部ですがサークル活動も大変活発です。様々なチャンスとリソースを活用し、未知の体験に挑み、人間交際を深め、学生生活を大いに楽しんでください。大学時代は、皆さんが心理的、社会的、経済的に自立していくまでの移行期です。自分らしさを知り、人生を生きる上で核となるものを作っていくときです。独立自尊の精神で学生生活を主体的に過ごし、唯一無二の存在である自分自身を、大切に育んでください。看護医療学部教職員一同、力を尽くし皆さんを応援します。